東京労働局:過重労働による健康障害防止総合対策
8月16日に東京労働局から、管下18の労基署が
24年度に実施した監督指導結果の概要が発表されました!
これは、過重労働による健康障害を発生させ、労災申請が行われた
事業場に対する監督指導の結果です。
長時間労働等により、脳・心臓疾患や精神疾患(うつ病等)の
健康障害を発生させて、労災請求が行われた事業場に対して
監督指導を実施したものです。
監督指導実施事業場:93事業場のうち
90%にあたる84事業場で法令違反があったとの結果です。
このうち、50事業場で1か月の時間外労働が100時間を超えるか、
2か月ないし6か月の時間外労働が平均して月80時間を超えていたそうです。
また被災労働者に対する健康管理状況は
16事業場:発症前1年間に健康診断を受診させていない
53事業場:発症時、医師による面接指導等の制度が無かった
13事業場:発症前受診の健康診断で何らかの所見が認められたのに
健康診断の事後措置を講じていなかった
とあります。
そこで、今後の対応として、長時間労働の抑制および過重労働による
健康障害防止に向けて、積極的な監督指導を行うそうです!!!
東京労働局管内では25年度は、健康障害防止のために、
次の項目を重点的に見られることになります。
1.労基法36条第1項による協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準
いわゆる「36協定の延長時間の限度」の遵守
2.長時間労働者に対する医師による面接指導実施の徹底
3.衛生管理体制の整備等の徹底
4.労働時間管理、健康管理等に関する法令遵守徹底のための監督指導
問題があると思い当たる企業の方は、早速に対処して下さい。
特に今年9月は「過重労働重点監督月間」として、集中的に
監督指導を実施するそうです!!!
9月1日は全国一斉で「若者の『使い捨て』が疑われる企業等に関する
無料電話相談」が実施され、過重労働や賃金不払残業などの相談を
受け付けます!
もちろんその結果として、明らかに問題のある相談については
対象企業に調査が入り、是正されるでしょう。
前述の法違反についてですが、業種としては
交通運輸業が最も多く、規模としては「10〜49人」の
事業場が多い結果となりました。
違反が多いのは法32条、37条、つまり
労働時間と時間外手当等の未払いに関する違反で
不適切な労働時間管理が指摘されています。
労働時間を正確に把握し、労働者に過重な長時間労働をさせないようにすることが
健康障害防止に必要です。
発表の最後に、自主的な改善状況が載っていましたが
健康障害を発生させたあと、監督指導実施までに、
47事業場が何らかの改善を行ったというのも意外でした。
しかし、この過重労働問題は、本当に重要な課題だと思います。
現在問題を抱えている企業の方は、少なくとも
・36協定を締結し監督署に提出し、それを周知する
・健康診断を受診させ、必要に応じて事後措置を講ずる
・時間管理を行い、長時間労働を出来る限り回避する
などは、すぐに対応できる事だと思いますから
取り組んで見て下さい。